私は、とてもツバメが好きです。
タイシルクのダーツがかかった布を見て、必ずツバメのドレスを作れると確信し、
その子が羽ばたくために履くブーツのカカトは、ケミカルウッドを削りだしで誂えました。

より詳細に言うならば、営巣するツバメが飛び交う姿を、毎年楽しみにしているのです。

縦横無尽に空を切る、小さな存在。
ピヨピヨと親の姿を見れば夜昼と無く響く、ひな鳥の鳴き声とクチバシ。
大好きなのに、とても後悔している過去がある。
アスファルトの端っこでその亡骸を確認したのに、土へと葬ってあげる余裕が無かったこと。
ごめんなさい、と何度も何度も振り返るあの小さな亡骸。
ひな鳥たちには、遠くまで羽ばたいて欲しい。どこまでも。