「白い」ということ

  • 2008/01/24 13:49
  • Category: works
つい最近行った美術館で絵を見ていて、ふと思ったこと。

その絵では人物が白い服をまとっていて、それは白い絵の具で塗られているのではなく
服の部分が塗り残されているのでした。

それは、なんとも奇妙な感覚で
服の部分だけが透明人間になってしまったような、体の消えた存在なのです。

目をこらしてどれだけみても、その体の存在は白い服として浮かんではきません。
私のその感覚は、明らかに画家の意図には反しているので、その後もしばらく考えています。

白、という色はいったいなんなのでしょう。

なんでも受け入れるので、人は多くこの色を好みます。
では白はほんとうになんでも受け入れるのでしょうか?

昨日は東京にもやっと雪が降りました。
数時間降り続けた雪のさなかに居ると、風景の輝度があがって
街が明るくなるのがわかります。
そして降る雪はまた、白の少し目の細かいフィルターとなって
風景の輪郭を曖昧にもします。


白い服を着せれば、人形の体も透明に近くなるんだろうか。
いや、そんなわけないのは知っているけど
白をきちんと使うというのはどういうことだろう。

いろんな明度の白を考えながら、作りました。

white_1.jpg


グレーのバックだと、こんなふうに見えます。

white_2.jpg


足下には魚の化石がしいてあります。
これも石灰質な石なので、ある意味では深すぎるけども白です。

けれども。
私はいつも、考えるだけで終わってしまいます。
何もかも答えが出たためしがありません。
今回もまた、何もわからないまま作り終えてしまいました。

このお人形はninniに来週納品の予定です。

ウサギだけ

  • 2008/01/22 22:00
  • Category: works
走るウサギ。

hiina_13.jpg


この動物に花はありません。
簡素な雛段の一番外を、走り抜けるための動物です。
こんなふうに。

hiina_1.jpg


タタッと走って、あっというまに過ぎ去ってしまう。
そういう生き物であり、季節です。

展示最終日の27日まで、どうぞよろしくお願いいたします。

イヌノフグリ

  • 2008/01/21 22:00
  • Category: works
いちばん春らしい花かと思います。
だれもがその小さな姿を思い描くことができる。
ああ、でもあのくしゅくしゅとついた葉っぱがどんなふうだったか思い出せずに
適当に作ってしまいました!

hiina_11.jpg


動物は、オオカミ。
この動物は、あの精悍さが出ないとただの犬になってしまうので
イラストではデフォルメ傾向が強いことが多いです。
私の作ったオオカミも、そう。

hiina_10.jpg


日本のオオカミは20世紀の初めに絶滅してしまったけど
生きている姿を見たかった、と切に思います。
人は襲わず害獣を獲ったので、神として崇められたというけれど
その小さな体の動く空気が知りたい。

オオカミを作って他の動物と並べる私に、子どもが「食べられちゃうよ」と
心配そうな声で訴えるのだけど
私が作る雛段に飾る動物として、一番相応しいと思っています。

ニリンソウ

  • 2008/01/20 22:00
  • Category: works
冬の冷気から割ってでたような白い花が、いちばん早春にふさわしい。
できれば動物に持たせる花はすべて白い花にしたかったけど
なんだか馴染みのない花が多くてね・・・

ニリンソウも、田の畦道ではあまり見かけなかったように思います。
こんな小さくて華麗な花は。

hiina_7.jpg


この動物はニホンカモシカ。
その名のとおり、日本固有種です。
こんなに優美でいて控えめな印象の生き物がいるなんて、幸せだなー。

昔群馬の木立の中で見たカモシカは、どっしりとして美しくて
写真でみるよりもずっとたくましかった。
山間の村とはいえ、人家のそばでみかけるのが普通なのか飢えているのか
わからなかったけど、美しかった。
泊まった旅館には、惜しげもなく埃をかぶったカモシカの剥製が置かれていて
「このあたりでよく見かける」という展示パネルが隣にかかっていました。

hiina_6.jpg


日本の国土は80%が山で人々は沿岸部にへばりつくように住み
地震と台風が多く、海に分断された過酷な土地。
最近読んだ本には、日本についてそんなふうに書いてありました。

でも日本は植物も動物も、固有種の多い恵まれた土地で
こんなに美しい生き物が昔からいたのだな、と素直に感動します。

ハルジオン

  • 2008/01/19 22:00
  • Category: works
hiina_4.jpg


これは「ヤギ」と作品名にも書いていますが、実際はちょっと違います。
実はマウンテンゴートの写真を見ながら作ったので
ウシの仲間です。
(箱舟動物作っていたときの名残が・・・)

どっちでも、いいんだけど。


hiina_5.jpg


ヤギのもつ花はハルジオン。
この雑草が可愛いかと聞かれると、答えは微妙。
かわいいと言うには背丈が高すぎるし、だらんと垂れてすずなりになっている蕾も
いじらしいという雰囲気には欠けるし。

でももし道ばたでハルジオンの花を見つけたら、ポッキと遠慮無くその茎を折って持ち帰り
小さな花瓶に生けたくなります。
丈夫な草だから、それぐらいのことなんでもないもの。


昨日の搬入は無事すみました。
今回もまた、私の隣にはMamaruさんのお人形が。
すっごく可愛いくて他の作家さんたちも痺れていました。
二人揃って、どうぞよろしくお願いいたします。

カタバミ

  • 2008/01/18 22:00
  • Category: works
明日からドルスバラード[LINK]で始まる展示のお人形をご紹介する前に。

おくればせながら・・・
15日で終わったニヒル牛2ギャラリーの『羊毛倉庫のしごと展』へご来場いただいたみなさまへ。
たいへんありがとうございました。
お買い上げくださったお客様へも、厚くお礼申し上げます。

そしてなによりも、ニヒル牛のお店を担うみなさんへ大きな感謝を感じています。
お世話かけちゃったわー、またよろしくお願いいたします!

ニヒル牛2では今後もおもしろそうな展示・企画が目白押しです。[LINK]
私もまたイソイソとでかけなくては。


********

そして、お人形の紹介を。

今回の動物たちには、お花を持たせています。
この花は”クラフト”という不織布を染めて作ったものなので
羊毛じゃないけど、その対比が好きです。

田舎で育った私は、お正月が過ぎると徐々に芽吹いてくる春の草花が好きでした。
きちんと名前や咲く時期を憶えたわけではないし
それらはどこにでも生える雑草なので、むしったり踏んだりと扱いは雑でしたが
毎年きちんと花開く小さな変化は、安心感を与えてくれました。

hiina_9.jpg


リスの持っている花は、カタバミ。
見向きもされない雑草だけど、花開いたときに見えるキリッとした黄色は魅力的です。

hiina_8.jpg


しっぽがモッサモサです。

明日、『いとちいさやか』展の搬入です

  • 2008/01/17 18:16
  • Category: works
ああ、搬入の荷物をまとめることができました。
よ、よかった・・・なんとかなって。

自分の制作のペースはよくわかっていたので
今まで締め切りをはずしたことはないし、かなり前もって仕上げるようにはしていたのです。
そして、そこに決して無理はなかったのですが。
(いや、それは言い過ぎか!)

いや、今回はちょっとずついろんな歯車があわなくって
ずいぶん焦ってしまいました。
でも、もう大丈夫。


今回のドルスバラードでの展示のテーマは「おひなさま」です。
そのメインとなる男女1対のお人形を、少し先んじてここでお見せします。

hina_1.jpg


私の作ったおひなさまは、およそ日本の伝統行事とはほど遠いのですが
だんだんとぬるく(暖かく)なってゆく春というあいまいな時期を
花とともにイメージした二人です。

女の子の頭には、桃の花が。

hina_2.jpg


そして、男の子の襟元からはスミレが。

hina_3.jpg


女の子の座る小さな木の椅子にも、緑の葉を。

hina_4.jpg


さてさて、いかがでしょうか?
他にもお花を持った動物たちが約5体おります。

明日以降、順にご紹介する予定です。
 

ヘクター・プロテクターと

  • 2008/01/12 23:03
  • Category: works
大晦日から元旦にかけて昼夜に作ったお人形が、ひとつあります。

大好きなセンダックの絵本『ヘクター・プロテクターとうみのうえをふねでいったら』[LINK]
登場する、やんちゃ坊主のヘクター。

センダックの絵本が読むほどに愛おしいのは、「イヤだ!」としか答えないような子どもが
その強情な性格のままで冒険をして、ハッピーになれるから。
(そしてその後すぐに、大人に怒られる生活に戻っちゃいますが。)

センダックはまた、子どもの空想の世界をきちんと表すために
その質感をとても大事にしている作家でもあります。

たとえばペラペラの時代衣装を身につけていたり、ダンボールで作ったようなペッタンコの剣を携えたり、飛行機のつっこんだ建物が紙のように破れていたり。
「ここは生意気なこどものための世界です。」という注釈を注意深く付帯しているのです。

この本を背景に、ちょっと並べてぱちりと記念撮影。

hector.jpg


私の作ったヘクターの持っている剣も、ダンボールと紙で作ってみました。
絵本の子より、ちょっと大人っぽくなっちゃったけどね。

余談ですが、私の息子はセンダックの世界にあまり浸ってくれません。
こんなに子どもらしい素敵な世界なのに・・・と親としては残念なんだけど
子どもからしてみれば、特に珍しくもない風景なのかもしれないなーと
すこし買いかぶってみたりして、ね。



追加・動物

  • 2008/01/06 20:26
  • Category: works
年末にニヒル牛のあるさんと約束したので
新しく「羊毛倉庫のしごと」展用に動物を1ペア作りました。

自分がきちんと形にできなかったものに再度手を加えるというのは本来ならやらないことだけど
意外とすんなり作る気持ちになったのはたぶん、心残りだったから。

その動物とは、ツチブタです。

animal_13.jpg


”夢のように可愛い”というのを形にすると、きっとこんな風貌になる。
実物は甘いピンクの肌の色に、ぬいぐるみのような体つきと、長く尖った漫画のような耳。
まるで飼い犬のような愛らしいつぶらな瞳。
デフォルメの局地というか、彼方というか。

野生でのこの動物の食べるものは「アリ」ですが、飼育下では混合飼料を
わりと満足そうに食べています。

今日ニヒル牛へ納品に行ったらば、あるさんのお母さん(超・癒し系店員です)に
「ああ、ツチブタ知ってるわ。井の頭公園にいるもの。
 でもこんなに綺麗じゃないわ。泥だらけですごく汚いのよー。」
という動物雑感をいただきました。

え? ああ・・・そう・・・

あぁ、お正月

子どもの学校も冬休みで、毎日毎日ちょっと強制遊興ぎみ。
小さな生き物は飽くことも力尽きることもなく・・・

でもたまにはこういうのもなくっちゃ、ね。

さてさて。
昨年よりお世話になっているドルスバラードの今年の年賀状に
羊毛倉庫のお人形を使って頂きました。

2008nenga_2.jpg


今現在、お店を入る手前のショーウィンドウにてご覧いただけるようです。


そのドルスバラード[LINK] にて、新春最初の展示に羊毛倉庫も参加します。


■1月19日(土)~27日(日)■

■『いと・ちいさやか』ーお人形の雛祭りー■


3月のおひな祭りにそなえて、小さな男女一対のお人形たちがお披露目されます。
和洋を問わない趣旨なので、一風変わった雛人形たちに出会えることと思います。

羊毛倉庫は春のお花をイメージして、人間と動物をご用意する予定。
たくさんじゃあないけど、優しい春の色を意識して作っております。
どうぞお立ち寄りくださいね。

新年おめでとうございます

  • 2008/01/01 09:26
  • Category: works
2008年になりました。
心が焦る年末から、静かなお正月へ。
1年のうちこの数日だけは排気ガスが減って、東京の空も少し綺麗になります。

今年1年をどう過ごすべきか、今日はいい空気を吸いながら散歩でもして考えよう。

羊毛倉庫より、年賀状でご挨拶です。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

2008nenga.jpg

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