さてさて。
今回の展示のために作ったお人形を、これから何回かにわけてご紹介していこうと思いますが
まずは前置きを。
「宮沢賢治」という大きなテーマを選んでしまったがために
私もpoppetさんも、人形を作るより悩むことのほうが多かった気がします。
読むだけならば美しくて楽しい語感にウットリするだけで充分なのですが、
それを立体という有限のものに変える作業には頭を抱えました。
何をどうしたところで、元の言葉以上のものを作ることができないわけですから。
何ヶ月か悩んだり考察本を読んだりしてたどり着いた結論は
”賢治を神聖化しないこと!”という、ひどく単純で密かなアンチテーゼ。
既成概念を極端に嫌った彼のことですから、まあお許しいただけるでしょう。
私が選んだ童話は『十力の金剛石』『茨海小学校』『猫の事務所』の3つ、
6シーンを再現しました。
そのうち『十力の〜』のお話に5シーンを費やしました。
このマイナーで一般的評価の低いお話を題材に決めた理由は
今となってはもうどうでもよいことだと思いますが
私があまのじゃくな性格なのが一番のきっかけでしょうね。

朝早くにお城を抜け出した王子様は、大臣の子を誘って森へ向かいます。
虹のたもとにはルビーの絵の具ざらがあるに違いない、と
虹を追って駆け出す男の子2人は、青い大きな帽子をかぶっており
帽子には蜂雀の模様がついておりました。

だんだんと暗い森に迷い込んだ2人。
頭上で歌う小さな声に呼応するかのように、霧や雨が降ります。
歌っていたのは帽子についていたはずの蜂雀2羽。
鳥たちは針金が翼に入ったように動きが固く、
降る雨はすべて”トパァス、サファイア、ダイヤモンド”であり
そこいらじゅうに貴石の雨が降りそそぎます。
そして続きはまた、明日にでも。
- 2007/01/24(水) 03:21:21|
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