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【個展新作】芽覚め

  • 2018/09/27 19:21
  • Category: works
ふわふわとした、夢のようなもの。
起きているのか寝ているのか、わからない。
そういうときに、ふと瞼の裏側に浮かび上がるものがある。

慌ててイメージをコピー用紙やら小さなメモ紙に描く。
とても稚拙なそれは、具体性とはかけ離れている。

白っぽい樹皮と緑の中で眠る子どもの姿。
その落書きは、現実に作り始めると目を閉じた者ではなく
今まさに目覚めた何かになっていた。

mezame_1.jpg

これから、ここから。
いつだって、そう。

自分のこどもが大きくなるにつれ、彼が小さな頃というよりは
胎内にいた時を想う。
根本的につながって、その愛しさが自分に寄生する者からくるということを
初めて知った10ヶ月。
以来毎日、17年間その子の寝顔と起床を見守ってきた。
こどもから芽吹く若葉は、日々絶えることがない。

mezame_2.jpg

その子が「おもしろいね」「いいね」と言いながら撮ってくれた写真。

たまたま私が写真を撮っていたところに帰宅した息子が居合わせて
とても遠慮がちに、でも羨ましそうな視線を送ってきたから
「あんたも撮ってみる?」と尋ねただけのこと。
それだけのことだけど。
今回の個展のDMも、息子が大好きな人がプレゼントしてくれたカメラで
撮影したものです。

私だったら、高価なカメラとレンズを人にあげることはなかっただろう。
いろんな人に支えられて生きている彼だけど
これからも守ってあげたい。
とてもさりげなく、そっとね。
人というのはとても、自由ないきものだから。
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【個展新作】火球

  • 2018/09/27 00:51
  • Category: works
私は毎月、名古屋と大阪へ出張講座で出向いています。
早く陽が沈んでしまう冬は別ですが、それ以外のときのこと。

名古屋から大阪へ向かう新幹線の車窓で、いつも出会う風景があります。
山で形成される熱海とは違って、水平な地形に浮かぶ夕暮れ時の田園風景。
その日没に現れる神聖な何か。

kakyu_3.jpg

その姿を一度見たときから、取り憑かれたように
毎月その色や姿を追う自分がいました。
月に一度しか、見る機会が無いその光景に。

kakyu_1.jpg

薄暮の季節は、とても短い。天候にも大きく左右される。
同じ景色など見ることはないのは、理解できている。
だけれども。

kakyu_2.jpg

安穏たる日々が長く続くわけではないというのは、今の日本人はとてもよくわかっている。
でもそれが日常であってほしいと切実に思うし、願っている。

私の見たのは夕暮れのひとときだけれども、違う現象として表される
「火球」というタイトルを、この人形にはつけました。
(本来火球は、もっと瞬くような光を放って観察されるものです。)

激しさと優しさと。
その2つがつながるように、願いを込めて名付けました。
私達は守られている。
そうあってほしいと思うのは、私があまりに楽観的過ぎるのかもしれません。
ごめんなさい。

美しい絹糸と、美しいシルク布を使って
少しでも見上げる空が輝いてみえるのならば。

初めて知ったこと

  • 2018/09/23 17:42
  • Category: works
本日、靖山画廊での個展3日目です。
9月21日(金)〜10月5日(金)までです。
私は24日(月・祝)と10月3日(水)在廊の予定です。(いずれも17時まで)

個展前日にツイッターで写真をUPしましたが、こちらでも。
少し長くなります。

hashi_5.jpg

高さ85cmのハシビロコウを作りました。
今までで飛び抜けて、一番大きな作品となります。

hashi_3.jpg

個展用に最初、ハシビロコウのラフイメージを描いた時は、せいぜい30cmぐらいのサイズでした。
でも、オープンマウスにしたくてスチロール材を頭蓋骨の形に削っているとき
気がつけばほぼ実物に近いサイズになってしまいました。

hashi_2.jpg

つくった原型に革を充てて成形しつつ、目を3サイズ作ることから作業は始まりました。
あまりにも大きすぎてどれぐらいの頭になるかわからなかったから、目も多めに作ったのです。

hashi_8.jpg

自分の肩に人形の顔を預けながら作ったという経験は、初めてでした。
羽に使うためのフェルトシートを作るだけで3日間石鹸水を使い続ける、ということも初めてでした。
硬いワイヤーを徹夜で触り続ける、ということも初めてでした。
2ヶ月かけて一度仕上げたのですが自立しなくて、涙の朝を迎えたのも初めてでした。

hashi_1.jpg

最初から足の構造を見直してシュミレーションし、3日かけてコツコツと作り直した結果
ドッシリと何事もなく立つようになったハシビロコウは、突然私を助けてくれるようになりました。

長くて硬い足がついたら、仕上げの作業は困難になるかと思ったのに
急に立体としての取り回しがしやすくなりました。
そして、足りなかったボリュームを増やしたり細部を仕上げるときも
「これでどうかな?」と、この子に相談して了承を得ながら進めました。
こんな作り方は初めてで、意外だったけどとても自然なことのように感じました。

hashi_7.jpg

私にとって人形を作ることは、現実と幻想との着地点を探ることでもあったので
少し傍観しながら強引に自分へ引き寄せるのが、基本的な制作スタイルでした。
自分のためでも人形のためでもなく、誰か見てくれる人のために作る、というか。

ですので、こんなに作っているものと1on1になることもあるんだな、と
すごくおもしろいな、と初めて思いました。

同じ方向からの写真ばかりになってしまいましたが、後ろ姿も面白いので
ぜひご来場ください。全方位からご確認いただけます。

個展の人形・その12

  • 2015/11/12 00:45
  • Category: works
新作はこれでラスト。
今日、この子たちを仕上げました。

bchild_1.jpg

『おゆうぎ(1)、(2)』

お遊戯会のお披露目を、舞台袖で待つ子ども二人。
蝶々の衣装でおとなしくスタンバイしています。

bchild_2.jpg

白い表着はオーガニックコットンのボア。
やはり手触りが違います。

bchild_3.jpg

背中の羽にはシルクシフォンを布フェルトにしたものと、綿糸で格子に刺繍が入ったシルクを
挟んで作っています。

bchild_4.jpg

個展用の新作は以上ですが、あとは旧作と毛糸だまに掲載された人形で
計24点が展示・販売されます。

初日、購入希望者が重なった場合はプレビュー時間として17時より抽選が予定されています。
会期中は展示の人形がすべて揃っていますので、どうぞお気軽にお越しください。

私の在廊予定は13日(金)のみがDMに記載されていますが、時間を作って何度か
ギャラリーに行こうと思います。
その場合はツイッターでお知らせしますね。

*****

◯鈴木千晶個展

場所:東京/東銀座/靖山画廊

期間:11月13日(金)〜27日(金) 11時〜19時 日祝日定休

個展の人形・その11

  • 2015/11/10 20:07
  • Category: works
今はまだ賑やかな熱海の砂浜も、もう少し寒くなればその風景も変わってくる。
黒いコートを着る人が増えて、寒風に耐えられずビーチを歩く人もまばらになる。
砂上を歩むその足元を確認して、顔も体もうつむきがちになる。

小さく見えるその人影を、”宮沢賢治みたいだ”と何度も思った。
彼が踏みしめて確認していたのは、農耕地であったのだけど。

mrm_1.jpg

『賢二さん』

できるだけフラットな質感で、白黒写真ではない人形にしたかった。
コートのボタンは賢二の好きそうなガラスのような塗装がされたボタンを使う。

mrm_2.jpg

あの写真の賢二の腕は、ポケットに突っ込まれているのだと思っていたけど
実際は後ろ手に組まれていた。
ぐっと組まれて膝から下の足が伸び気味になった彼の姿勢からは
ひたすらスローに土を検分する様子が伝わる。

熱海の浜を歩くとき、いつも賢二さんを思い出す。
砂の感触は靴底越しでも生きている実感が、小さな砂粒の隙間から立ちのぼってくる。

これって厳密には、賢二さんを作った人形ではないのだと思う。


*****

◯鈴木千晶個展

場所:東京/東銀座/靖山画廊

期間:11月13日(金)〜27日(金) 11時〜19時 日祝日定休

個展の人形・その10

  • 2015/11/09 17:29
  • Category: works
最新の毛糸だま2015年冬号に掲載された人形を、今回の個展で展示・販売いたします。

sq_1.jpg

『雪の女王』

冬や雪や氷を女神として描かれることが多いのは、周知の事実。
絵本の挿絵では毛皮のコートをフカフカとまとった気高い女性が多いけど
寒くて冷たいほど、彼女は楽しくてしょうがないだろうと思ったので
ノースリーブのドレスをまとわせました。

ドレス生地は極薄のシルクにウールで刺繍が入った布に、4色のメリノで
フェルト化して布フェルトに。
腕のケープはウェディング用の複雑な編みが入った生地を使いました。

彼女の持つ吹雪を呼ぶ杖は、先端に天然の紫水晶が入っています。

実は普段よりもかなり小さい人形なので、実物をご覧になるのが一番なのです。
ぜひ、ギャラリーでご対面ください。

*****

◯鈴木千晶個展

場所:東京/東銀座/靖山画廊

期間:11月13日(金)〜27日(金) 11時〜19時 日祝日定休

個展の人形・その9

  • 2015/11/08 12:42
  • Category: works
ヴォーグ学園の生徒さんが、教えてくれたお話。
童話作家・安房直子さんの『あるジャム屋の話』に出てくる、鹿の娘。
森で一人、売れないジャムを作り続ける男に、美しい瓶のラベルの絵を描く牝鹿。
色の綺麗なラベルに変わったジャムは、飛ぶように売れる。


sikag_1.jpg

『鹿の娘』

読み返さずに最初のイメージだけで作ったから、お話の鹿とはかなり違う。

sikag_2.jpg

人の印象はいろいろだと思うけど、安房さんの文体や描写には私が生まれた
70年代ぐらいの懐かしい雰囲気がある。昭和文化の目覚めのような時代。

過ぎ去った日々というのは来るべき未来よりも具体性があって、ファンタジーに思える。

sikag_3.jpg

お話をぜひ、読んでみてください。




個展の人形・その8

  • 2015/11/05 15:43
  • Category: works
尽きることのない優雅な放蕩を、無意味だと毛嫌いする気持ちがあるけれど
その半面、世界観としてはフワフワのデコレーションケーキの上を雲のパンプスで
歩くようなイメージで、憧れもある。

いつか、「ロココ」をこの上なくドーンと脳天気に作ってやるさ。いつかはね。
でもその前にひとつ、小さなお嬢さんを仕上げてみました。

mdmsr_1.jpg

『マドモアゼル・バイオレット』

コルセットとボンネットに、大きなリボン。ヒールを履いても蝶を追う。

mdmsr_2.jpg

ギャザーが細かく入った極薄のシルクを黄色に染めて、布フェルトに。
髪は2種類のモヘアをコチニールで染め、タイツは染めたシルクガーゼを履かせる。
頭にはコサージュ作家さんが作った花を飾った。

mdmsr_3.jpg

明るく優雅な彼女の頭上に舞う蝶が、見えますか?

個展の人形・その7

  • 2015/11/03 16:48
  • Category: works
昨日の「おうちねこ(姉)」の続きで、今日は(妹)のほう。

cih_5.jpg

『おうちねこ(妹)』

「まりが転がっちゃった!」と腰を上げて、その行く先を目で追う。
今にも”おそとねこ”になっちゃいそう。

cih_1.jpg

この子の着物も古布で、かなり大きく派手な絞り染めが入っていますが
それは実際に見て楽しんでいただきましょう。


*****

◯鈴木千晶個展

場所:東京/東銀座/靖山画廊

期間:11月13日(金)〜27日(金) 11時〜19時 日祝日定休

個展の人形・その6

  • 2015/11/02 17:36
  • Category: works
猫って、なんとなくわかる。

自宅で飼育経験があるのは犬と猫と兎と魚類とカメと、ザリガニや越冬しない昆虫。
相手が取る私との距離が違うだけで、どの動物も生き物には変わりない。
猫の持つ距離感は、私にちょうど良かった。

特に資料見なくても作れるのは猫だけ。
猫は根本的に、猫という種類ひとつしか無いような気がしてしまう。

「内猫?外猫?」と飼猫の飼育環境のことを尋ねたりするけれど
この人形はずっと家の座敷にいるかんじです。

cih_2.jpg

「おうちねこ(姉)」

三毛猫の姉さまは、すまして座っております。

cih_4.jpg

三毛猫には着物の古布がよく似合う。

cih_3.jpg

足袋も履いております。
明日は(妹)をご紹介しますよ。


*****

◯鈴木千晶個展

場所:東京/東銀座/靖山画廊

期間:11月13日(金)〜27日(金) 11時〜19時 日祝日定休

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